「陣馬の滝」は五斗目木川にかかる滝で、源頼朝が富士の巻狩を行った際に、この滝の近くに一夜の陣をしいたことから、「陣馬の滝」と呼ばれるようになったといわれています。上流から流れてくる水と、溶岩層の隙間から湧き出す水が、それぞれ滝を成しており、富士山麓の湧水の仕組みを見ることができます。

猪之頭の市保存湧水池に指定されており、指定時(平成4年)の湧水量は 1 日で約48,000mと、猪之頭のなかでも水量の多い湧水池となっています。東側の流水は富士山からの湧き水ですが、西側の水にはバナジウムが含まれておらず、天子山塊からの地下水だと考えられています。

富士の巻狩

源頼朝は、建久4年(1193 年)に多くの御家人を集めて富士山の裾野で巻狩を行いました。この巻狩は、現在の上井出・原・內野・人穴・猪之頭を中心とする富士宮市北部一帯でも行われました。巻狩は単に狩猟を楽しむだけのものではなく、獲物を馬に乗って弓で射る武術の訓練を目的とした催しで、大軍事演習といえるものでした。この武家集団による大規模な巻狩は、将軍頼朝を中心とした東国武士のカを京都の公家の人たちに認めさせるためだったと考えられています。

所在地